季刊まちりょくvol.16
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27日本大震災で家を失った方々への住宅販売を手がける際に出した一案で、急成長した工務店で働く彼女らは「是非、私たちの会社に来てください」と役員就任を頼みこむ。かつて、元の会社で却下された、庭をプレゼントするという案が、被災した人たちの心をつかんだのだと。ラストは人生の転機としての再就職をはたした夫が、仙台への出張の準備を楽しそうにしている場面で閉じられている。  どこの家にもある、外側からは決して見えない事情。そこにスポットをあて、会社と家庭という2つの場での出来事を、家庭という1つの場で表現し得たことには意義がある。そして、舞台より発信されたメッセージが光る。人と人が信頼により結ばれ、家族ではなく〈家庭〉と呼ぶことの温かさ。大震災で実感した痛みを乗り越えてゆくヒントを、登場人物の言葉から受け取ることができた。〈会話で観みせた〉キャストたちに感謝したい。 (初日に観劇)<公演情報>2014年8月1日(金)~8月3日(日)会場/エル・パーク仙台 スタジオホール作:熊谷さかり 演出:熊谷盛出演:竹井眞理子(朗読リラの会)、手塚光弘、tomo、青山敦彦、佐藤未来(A Ladybird Theater Company)、安達なほみ、千葉清美(A Ladybird Theater Company)

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